質屋での買取と質預け

質屋と聞いてどういったイメージを持たれますか。

 

なんとなく後ろめたいような暗いイメージを持っている方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

なぜ質屋に対してそのようなイメージを持ってしまうかと考えてみると、それは今現在の質屋の営業スタイルと、昔の質屋の利用方法が大きく違っていたからだと思います。

 

ではここで質屋の歴史について少しお話してみたいと思います。

 

暗いイメージがある質屋の歴史

質屋の歴史は古く、鎌倉時代から続く庶民の気軽な金融機関でした。

 

よく時代劇のワンシーンとして登場したりするので目にした事もあるのではないでしょうか。

 

生活苦のため奥さんが自分の大切な着物を質入し現金にして生活費にあてたり、働かない旦那が自分の酒代欲しさに家財道具を質入し家族が泣いていたりするシーンなど。

 

こういった暗いシーンの影響で質屋のイメージが悪くなっているのかも知れませんが、頑張って働いてお金を手にすれば、預けた大切な品物も預けた状態のまま変わらず返ってくるので、質屋は市民の貴重な金融機関であったのは違いないのです。

 

しかし1970年頃から消費者金融、いわゆるサラ金が数多く起業された事により、質屋の数は年々減退する一方であります。

 

しかし現在は貸金業務よりも買取、販売業務の方に力を入れた形になり、質屋が金融機関という認識よりも、預ける事も出来る買取業者といった認識になっているのではないでしょうか。

 

現在の質屋

現在の質屋は「質屋営業法」という業種形態をとっています。

 

営業する店舗の都道府県の公安委員会に許可を受けて営業をしなければならないのです。

 

質屋には買取と質預けの二通りの利用方法があります。

 

質屋での買取も、金、プラチナ、ダイヤ、ブランド品を取り扱う買取専門業者と変わりはありません。

 

全ての価値ある品物について査定と買取を行っています。

 

査定をしてもらい金額に納得がいけば買取成立になり現金を即座に手にする事が出来ます。

 

質預けとは、例えばブランド品など預けた場合、そのブランド品の価値を査定して、その査定額の範囲内でお金を貸してくれます。

 

規定の貸付期間は最長3ヶ月で、その期間内に借りたお金と利息を返す事が出来なければ、そのブランド品の所有権は質屋に移ります。

 

借りたお金を返さなくても、借金の取り立てはなく、借金の返済義務もなくなります。

 

サラ金と違い精神的な不安を抱える事はないと言ってもいいでしょう。

 

そうやって質屋が手に入れたブランド品や宝飾品の担保は質流れ品と呼ばれ、また新たな買い手がつくように質屋の店内で売られたり、質屋が合同で開催したりする質流れ品の販売会などに商品として並びます。

 

もし3ヶ月以内にお金を返済する事が出来なくても、利息の支払いを続けていれば質流れを止める事が出来き、預けたブランド品などは大切にいつまでも倉庫に保管してもらえます。

 

質屋の変わった利用法とは

最近の質屋の風変わりな利用方法として、この倉庫に大切に保管してもらえる事を利点として、お金を借り入れする事が目的ではなく、利息を保管料として支払っている感覚で質屋を利用している人もいるのです。

 

ちょっと似たような話をすると、私の知り合いでブランドの洋服をとても大切にしている人がいました。

 

ブランドの洋服が大好きなため沢山買いすぎて、自宅の狭いクローゼットでは保管出来なくなってしまったのです。

 

そこで考えたのが、衣替えでクリーニングに出してもすぐに引き取らず、次シーズンまで預かってもらうという方法です。

 

ブランド洋服にとって適切な環境で保管されるのはとても利点がありますが、クリーニング店にとっては、はなはだ迷惑な話です。

 

こういった人達が沢山いるようで、現在は一定の期間を過ぎても引き取らない場合は罰金を設けたりしているようです。

 

または最初からそういうニーズに応えて、適切な保管料を取って預かったりもしているようです。

 

質屋とクリーニング店の利用方法、ケースは違いますが、考え方は似ていると思いませんか。

 

豊かな時代の象徴なのか、溢れるモノ達との共存は難しいようです。

 

不用になったり、保管出来ないくらい増えてしまったりしたブランド品や貴金属などは、買取ってもらってスッキリした方が良いと思いませんか。